2011年7月15日(金)〜 7月21日(木) 
 
 山国信州生まれの私が初めて訪れた[佃]の街に強烈な感動を覚えたのはもう50年も近くも前、1964年7月の昼下がりのことでした。江戸の街並み、人情あふれた気さくで親切な人たち。そして、初めて見る牽引機関船に引かれたいわゆる「佃の渡し」の渡船。自転車まで持ち込め、乗客は普段着の気さくな人たちです。全てが驚きと感動の連続でした。
 対岸の築地・銀座方面では3ヶ月後に控えた東京オリンピック開催に向け道路工事が進められていました。佃島でも佃大橋の新設工事が仕上げ段階にありました。しかしこの橋の完成は、庶民の足として360年余り続いてきた「佃の渡し」の廃止を意味します。あの時、何とも表現できない一抹の感傷を覚えたことを思い起こします。

出展予定点数モノクロ 約35点
 
1933年長野県に生まれる。
1957年から約35年間、公的な検査・研究機関に勤務の傍ら、主として自然・科学写真(赤外線・紫外線・蛍光写真・顕微鏡写真 等)の制作を続ける。現在はデジタルカメラで自然界の不思議の探求や、各種の科学写真の制作に没頭している。
その他1960年代には、東京オリンピック前の改良工事中の銀座や、ミユキ族と称された若者などの風俗写真にも興味をもち撮影している。


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