なみき たかし写真展
「路面電車の街 -リスボン-」

 アニメーションの映画祭に招待される機会の中でちょっとずつ路面電車の写真を撮ってきました。中でも98年に訪れたリスボンのトラムにはあまりに楽しんだので写真は撮り忘れてしまったほどです。今回の展示は99年に撮影目的で再訪した時のものです。
 僕は鉄道ファンとは言えないほど、仕組みや車輌タイプに無知なので、電車だけでなくポルトガルの人々を一緒に写して、生活感を出そうとしたのですが、感じの良い人間臭さをお伝えするのは難しかったようです。
 二回の訪問のわずかの間にいくつか路線が廃止になっていて残念でした。急坂の多い有名な12番線や18番線はかろうじて運行していましたが、いつまでも残ってほしいものです。 なみきたかし

なみきたかし
アニメーション・プロデューサー、フィルムコレクター 1952年埼玉県浦和市生まれ。高校生の時にプロアニメーターの集まりであるアニドウに参加し、アニメーションの世界へ進路を定める。
 1969年からはアニドウ代表となり上映・出版活動を進めるとともに、オープロダクションに在籍し、「アルプスの少女ハイジ」「ゲッターロボ」等のテレビアニメのスタッフとして働く。
 1975年に国際アニメーション・フェスティバル(仏・アヌシー)に参加したことを契機に、写真を撮りはじめる。
 1984年、アニドウ・フィルムを設立し、「川本喜八郎:三国志百態」(1984)「世界アニメーション映画史」(1986)「もりやすじ画集」(1993)などを編集・出版し、アニメーション専門出版社として定評を得る。
 さらに、DVD、CD-ROMなどの制作、ビデオ映像の演出も手がけるなど映像分野で多彩な活動をすすめる。1998年には念願のアニメーション制作に進出し、短編「この星の上に」(1998)を完成。
 主宰した上映会や講演会などのアニドウの活動は400回をこえ、研究者としてテレビ出演、資料協力んなども多い。1987年の広島国際アニメーション・フェスティバルでは国際審査員をつとめた。
 現在、フィルムや資料のコレクションを続けながらアニメーション・ミュージアムの設立運動を推進している。
 本年6月に初の写真集「アニメーテッド・ピープル・イン・フォト」を刊行した。