なみき たかし写真展
「アニメーデッド・ピープル in Photo」

 今回ご覧に入れるのは、アニメーション作家のポートレート写真集「Animated People in Photo」からの抜粋です。この業界を徘徊してきた25年間の交友の記録です。
 前回の写真展は路面電車ばかりで、知人たちには不満だろうと思っていましたところ、以外にも好評を得ました。それどころか出版したばかりのその写真集より「路面電車の本なら買うのに」と言う人も多くいたのです。
 どうもアニメーション関係者は同業者に冷たくていけません。
 もっとも関心がなくても当然かもしれません。最近でこそようやくこのアニメというものに陽が当たっているようですが、それでも海外の傑作などが充分紹介されているとは言えず、ましてや、その作者となるとほとんど素顔を知る人はいません。
 蛇足ながら代表作を附記しておきました。機会がありましたら彼らの作品こそぜひご覧下さい。
 不思議な雰囲気の人あり、美人あり、バラエティ豊かな表情ですが、誰もがアニメーションに生涯をかけて取り組んでいる人ばかりです。国や技法や業態に違いがあっても、同じ夢を追って生きている仲間だと私には信じられるのです。
 ここにそういう人達の幾人を紹介できるのは、たとえ写真の出来は拙くても、心から嬉しい限りです。 なみきたかし

なみきたかし
アニメーション・プロデューサー、フィルムコレクター 1952年埼玉県浦和市生まれ。高校生の時にプロアニメーターの集まりであるアニドウに参加し、アニメーションの世界へ進路を定める。
 1969年からはアニドウ代表となり上映・出版活動を進めるとともに、オープロダクションに在籍し、「アルプスの少女ハイジ」「ゲッターロボ」等のテレビアニメのスタッフとして働く。
 1975年に国際アニメーション・フェスティバル(仏・アヌシー)に参加したことを契機に、写真を撮りはじめる。
 1984年、アニドウ・フィルムを設立し、「川本喜八郎:三国志百態」(1984)「世界アニメーション映画史」(1986)「もりやすじ画集」(1993)などを編集・出版し、アニメーション専門出版社として定評を得る。
 さらに、DVD、CD-ROMなどの制作、ビデオ映像の演出も手がけるなど映像分野で多彩な活動をすすめる。1998年には念願のアニメーション制作に進出し、短編「この星の上に」(1998)を完成。
 主宰した上映会や講演会などのアニドウの活動は400回をこえ、研究者としてテレビ出演、資料協力んなども多い。1987年の広島国際アニメーション・フェスティバルでは国際審査員をつとめた。
 現在、フィルムや資料のコレクションを続けながらアニメーション・ミュージアムの設立運動を推進している。
 本年6月に初の写真集「アニメーテッド・ピープル・イン・フォト」を刊行した。