『残雪の穂高と新緑の上高地』写真展

ご 挨 拶

早春から待望の初夏へ、峰々に囲まれた上高地は一番美しい表情を見せる季節。それは六月中旬の芽吹きが始り唐松の若芽が萌えだす頃といわれる。私たちに同行した百名山を征服直前の山男・山本隆夫さんも『残雪の穂高と上高地は最高』と称える。梅雨期の空を気にしながら新宿発のスーパーあずさ号に乗って出発。案の定、松本に着く頃には雨。これで怯む様な面々ではない。雨合羽に雨傘の出で立ち、カメラにも水滴防止。梓川に架かる河童橋を進み、水蒸気と白雲に煙る穂高の連峰と、岩をはむ清流の音が清らかに響き、静まり返った自然の景観がそこにあった。翌日は、朝食のあと陽射しが見え、元気百倍、撮影に散った。うま、ウマ、馬とカメラ片手に駆けてくる人。よく聞くと『くま』が出たと言う。子ずれの猿、綺麗なオシドリなど様々な動物も景観と一緒に撮影する事ができました。
 また、一瞬の出来事だった『熊』の出現を、見事に撮えた石井金次郎さんの写真は翌日の読売新聞の朝刊・長野版にカラー写真で掲載される特種ニュースとなった。充実した楽しい一泊二日の撮影旅行でした。
                   講師 神田佳明