「いのちの景色 釧路湿原」開催にあたって


 たくさんの自然が残され大型の野生動物を身近に見ることができる北海道に憧れ、年末に道東・標茶町へ移転をしてから2年が過ぎました。標茶町は道東の中央に位置し、釧路湿原や摩周湖・屈斜路湖などにほど近い酪農の町です。ここで私は新しいテーマとなる「いのちの景色」に出会うことができました。広大で美しい景色の中で力強く生き抜いていくたくさんのいのち達。タンチョウやエゾシカなどの大型の生き物だけではなく、小さな昆虫や草花までもが厳しい自然の中で生き生きとしていました。これらの姿を美しい景色と共に写真で描いてみようと思ったのです。

 今回の写真展では、もう二度と出会うことができないだろうといういのちの景色を含め、写真集「いのちの景色 釧路湿原」に未収録の作品を含め色鮮やかないのちの景色をまとめました。アフリカのサバンナに形容される広大な湿原は一見いのちの姿は見られないように思いますが、湿原自体がいのちの集合体であり実にたくさんのいのちに溢れています。そして四季にわたり魅力溢れるいのちの物語を見せてくれました。釧路湿原の魅力溢れる景色を思い浮かべながら、これらのいのちの物語を楽しんでください。